あまのじゃくな彼女【完】

めいの名前が出た途端、容赦なくギロっと睨まれた。
いくら普段ふざけていても、やはり兄として妹が心配なのだろう。


「異動を拒否してるのはめいのせいだって言ったんだよ、綾江が。伯父さんもそれ信じて、めいを飛ばすって脅してきた」

「ったく・・・綾江も相変わらずだな。それで異動ってか」


宏太はがくっと項垂れると、苛立ちを誤魔化すのうに短く刈り上げた頭をガシガシとかきむしった。


「お前の会社、ろくでもねぇな」

「俺もそう思うよ」

苦笑しながら返す。宏太の皮肉混じりの言葉も俺には正論としか取れなかった。

ほんと、ろくでもない会社だ。


俺が入りたかった、夢見ていた「コーエン」はこんな会社じゃなかったはずだった。




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