浮気亭主と借金地獄妻(短編)
「あなた?」

妻の葉子がドアをそっと開け顔を覗かせる。


ビクッ。


思わず体が震えた。


「あなた、大丈夫?」

「あ、ああ、…もぅ起きるよ」

ゆっくり気だるそうにベッドから体を起こした。

「昨日も寝付けなかったみたいね」


葉子はそう言いながら勢いよくカーテンを開けた。

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