猫の世界と私
「そう、よね…だって、私たちはもう死んでいるんだから…もし、彼がここにいるとしたら、彼も…そういうことってことだよね…」

「え…あ…そうか…やだ…不安になっちゃう…」

「彼の声に間違いない?」

「間違いであって欲しい…」

「…じゃ、彼も…もしかしたら、この世界にいるかもしれないってこと…か…」

「やだ…探さなきゃ…」

「……」

「彼に会いたい」



夕日に照らされた未来の瞳は、朱色に輝き、震える唇は少し開いた状態で声を絞り出している。
恋している顔が、こんな感じなんだということを、未来を見ていた結愛は実感した。



「行こう。彼を探しに。もしかしたらいるかもしれないよ」

「…でも、結愛は?結愛も大切な人のことを探してるんでしょ?」

「うん…でも大丈夫。いつか会えると思うから。私が彼のことを完全に忘れない限りには…」

「いいの?」

「いいよ。未来のはっきりとした記憶があるなら、きっとすぐ会える。私は…記憶を辿ることから始めないといけないから…」

「……あ、ありがとう…」
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