怨ーline
 後はソフトだ。
私はあの娘のゲームソフトを盗んだ。
飽きるだけ遊んだ後に売っぱらてやったよ。


「電話するから、間違いないって言ってね」

そう言って出掛けた中古ゲームショップで盗んだソフトを売る。

そして別のを買って帰っても、親は気付かない。
お年玉の残りで買ったゲームソフトが売れて、別の安いのを買ったとしか思っていないようだ。


本当はお金なんてないんだ。
オカンは小遣いをくれない主義だったからだ。


だけど、不思議だ。
何故オカンは、とっかえひっかえゲーム変えて気付かないのだろうか?




 そう言えば一度だけ、ゲームが無くなったとオバサンが騒いだことがあったな。
息子に頼まれて朝早くから並んで買ったゲームがその日の内に無くなったらしい。


取ったのは私だよ。
まるで持って行ってくださいとでも言うように目の着く場所に置いておくからだよ。
盗んで当然じゃないの。


でもオカンは自分の娘を犯人扱いされたって怒っていたよ。
オバサンは私が泥棒したなんて言ってもいないのに、オカンは勘ぐったんだ。


その時からオカンはオバサンを目の敵にするようになったんだ。




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