怨ーline
 怨ーlineが暴走を始めた日。
彼女は縮こまりもしないでノートを取っていた。


机に残っていたノートを友里亜に見せられた。
其処には、怨の文字が書きなぐられていた。
彼女は授業のノートを取っていたのではなく、恐怖に震えていただけだったのだ。
友里亜の席は彼女の隣だった。
だから其処にあることを知っていたのだ。




 「彼女を追い出した本当の犯人はきっと私ね。私が仕掛けたのよ。彼が転校したいって言うから、彼女を見つめろってね」


「何故?」


「彼ってイケメンでしょう? 誰にも取られたくなかったの。特にアナタにはね」

私は友里亜を天然だと思い込んでいたようだ。
私を見る目が鋭く光っていた。


「覚えてる? 川に帽子を投げ込んだこと……あの子は彼の妹だったの。そして拾ったのは私のお祖父ちゃんだった。お祖父ちゃんに土下座までさせたアナタを許せなかったの」


「だってあれは私が悪い訳じゃ……」


「又そんな言い訳して、全然反省していないのね」


「携帯を盗んでやったオッサンに恨みがあったの。私を職員室に連れて行って恥をかかされたからよ」

私は又自分を正当化させていた。






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