怨ーline
 「これだけは言っておくわね。彼と拾った携帯を見てビックリしたよ。怨ーlineがお祖父ちゃんの携帯から掛けことを知って……」


(彼と!?)

私はその時、彼を手に入れられないことを思い知らされた。


「私が悪い訳じゃない。アンタのお祖父ちゃんが私を校長の前に引き摺って行ったからでしょ」


「まだそんな言い訳しているの? 彼の妹がどんな思いでいたかなんてアナタは考えてもいなかったのね」


「彼の妹? そんなの知らない。言っておくけど、アンタのお祖父ちゃんを土下座させたのは家のオカンよ」


「知っているわよ。アナタの言い分を正当化させたのよね。アナタはその時、彼の妹が道路に飛び出したからって言ったんだよね?」


「だって、その通りだもの」


「でも、彼の妹は絶対にやっていないって言ってたそうよ。だから妹をそんな目に合わせたアナタを許せる訳がないのよ」


その時、彼を手に入れるためには時間を巻き戻すしかと思った。
あの日に行って、帽子を川に投げ込まなくさせることだ。
そうすれば、彼の怨みを買うことはないからだ。
友里亜と彼が意気投合して、恋人同士になることもないと思ったのだ。




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