イージーラブじゃ愛せない
翌日は再びシフト休。会社でジョージと偶然顔を合わせるのも嫌だったので、かなりホッとする。
なんて。穏やかに過ごしたいだけなのに、そんなささやかな願いすらどうやら神様は許さないらしい。
「あ、涼子さん。いらっしゃい」
「胡桃ちゃん、おじゃましてます」
思いっきり朝寝坊した午前10時。何か飲もうと入ったキッチンでは、兄の婚約者が甲斐甲斐しくケーキをカットしてる所だった。
「ベリーチーズケーキ作ってきたの。皆さんに食べて頂こうと思って。胡桃ちゃんも食べる?」
「ありがとう。後で頂きます」
起き抜けにケーキはさすがにきっついわ。心でそう思いつつ私はニッコリ微笑んで、棚からケーキ用のお皿を4つ出しテーブルに置いておいてあげた。
「どうもありがとう。胡桃ちゃん、気が利くね」
「いいえ。こちらこそ、いつも兄と両親がお世話になってますから」
「そんな。私の方こそ圭太さんやお義父様たちには可愛がって頂いて、すごく感謝してるの」
屈託無くも上品に微笑んで、涼子さんは切り分けたケーキを丁寧にお皿へ乗せていく。こういう表情やしぐさが出来るのって、やっぱ育ちがいいんだな。なんて改めて思ったり。