イージーラブじゃ愛せない


「…………なにこれ」

「え?だからジョージ特製愛情カレー」

「……カレー粉以外になんか入れた?」

「お、よく気付いたねー。さすが胡桃。隠し味を少々ね」

「隠し味?」

「うん。ネットで調べたらさ、コーヒー入れたらコクが出るって書いてあったから」

「コーヒー?」

「あと、牛乳入れるとまろやかになるってんで~、じゃあコーヒー牛乳でいいかって。たっぷりと1リットルパックをね」

「アホかー!!」


えっなんで。なんでそんな鬼の形相で怒るの。恐いよ胡桃ちゃん。

胡桃はスプーンを握りしめた拳でグラスの水がひっくり返りそうなほどテーブルをドンドン叩いてる。


「あんたは小学生か!いや、小学生だって今時こんなアホな料理作らないわ!!」

「ひっどーい!俺の愛情カレーのどこがいけないんだよー!」

「いいから一口食べてみろ!」


なんか無茶苦茶怒られながら、俺は自分の作ったカレーを口へと運んだ。こんなに見た目もキレーなんだから、味の方だって絶対美味いに決まって……

「まっず!!!」


なんだこれ!すげーこの世の物とは思えない味がする!!
 
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