イージーラブじゃ愛せない


「平気。俺、フローリングでうたた寝しても痛くならない人だから」


ジョージってタフだよね、色んな意味で。

もはや感心しながら私は奢られた日替わり定食の肉豆腐を黙々と食する。

今や友達なんだかもよく分からなくなってしまった私と、こうして顔を合わせながら笑顔で食事が出来るって結構スゴイよ。

だからってワケじゃないけど。


「ジョージはよくても、今まで一緒に寝た女の子から文句言われた事なかったの?」


私は彼の心にちょっと鈍感になってたかも知れない。


答えが返ってこなくなってしまった顔が、本気で困っているのを見て、私は自分の発言をやっと後悔した。


「……別に、嫌味とか責めるつもりで言ったんじゃないよ。ただ本当に純粋に思っただけ。他の人もあのベッド硬すぎじゃない?って思わないのかなって」


ジョージはなんとも言えない苦笑いを零してから

「柴木ちゃん、それ余計にキッツい……」

自分の前髪をクシャリと掴んで顔を俯かせてしまった。


…………だからイヤなのに。無神経な軽口も叩けない。友達辞めるって、こういう事じゃん。

簡単に笑い合えない。わずらわしい。

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