イージーラブじゃ愛せない


「俺言ったよね!?イヤだって!飯だけじゃなかったワケ!?」

「なんでジョージに怒られなきゃいけないのよ。あんたは私の親父か」

「怒るよ!柴木ちゃんすんげー大事な友達じゃん!そんないい加減なことしたら俺、怒るに決まってんじゃん!激おこだよ!」

「……『いい加減』とかあんたに言われたくないよね」


さすがに私もちょっとムッとした。

軽い恋愛をとっかえひっかえ、イージーラブを繰り返してるこいつに言われたくは無い。


ジョージはチャラい。軽い。友達は大事にして長続きするのに、コイツの恋愛は3ヶ月ともたない。

いつも可愛いと云うだけで性格もよく分かんない子と付き合いだしては、最初だけ盛り上がってあっという間に別れてしまう。

お手軽すぎるラブ。それを懲りもせずヘラヘラと繰り返してるコイツに、私を責める資格が何処にある。


「心配してくれるのはありがたいけどさ、私が誰とどんな恋愛しようとあんたに怒られる筋合いはないよね」


私の言葉に、ジョージがぐっと言葉を飲んだ。それでも何か言いたげに茶色掛かった瞳で私を見つめてる。

なんだかな。と溜息をひとつ吐いてから私は力技で口角を上げて笑うと

「まあ失恋した時は慰めてよ。居酒屋でトマトサワーおごってよね」

ポンポンとジョージの肩を叩いてから、歩道を歩き始めた。

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