イージーラブじゃ愛せない


この日は成瀬先輩もウザかった。呼び方が“柴木”から“胡桃”に変わってるし。あれ、昨夜からだったっけ?


ジョージにはさっき『私の恋愛に~』なんて言っちゃったけど、実は成瀬先輩と恋愛するつもりは全く無いんだ。


ていうか、私、あんままともな恋した事ないんだよね。いっつも告られたら“まあいっか”って付き合ってみるけど、なんか全然気分盛り上がらなくって。

努力はしてたつもりなんだけど、最後にはいっつも『お前ってなんか冷めてる』って言われちゃって。


ぶっちゃけ、恋愛してるよりアニメ見てる方が俄然テンション上がる。私、隠れアニオタだから。


盛り上がらない恋にうつつを抜かすより、二次元に酔いしれてた方がいい。面倒な事も傷付く事もないし。

んで、あんまり乾いてるのも何なので、機会があれば時々セックスしとけばいいかな、ぐらいに思ってる。


なので。

「胡桃、今日仕事終わったら、うち寄ってかないか?」

って成瀬先輩に誘われたけど、勿論ノーサンキューだ。


「すみません、今日は早く帰って寝たいです」


成瀬先輩のセックスは下手じゃなかったけど、おかわりって程楽しくもなかったからもういいです。
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