黄昏の特等席
「まだずっと先じゃない・・・・・・」
「そうでもない。すぐに来るさ」
「そうかな?」

 どうしてそんな先に連れて行こうとしているのか質問すると、それくらいになれば少しは気温が高くなることを言われた。

「気温の問題なんだ・・・・・・」
「・・・・・・そうだな」

 その場所へ連れて行くのは先だが、他の場所だったら、時間があるときいつでもいいらしい。

「他の場所?」
「例えば・・・・・・互いの好きな店とか」

 ここでどんなものを好むのか、久々に質問タイムが始まった。

「エメラルドが行きたい場所はどんなところ?」
「私は落ち着くところがいいな」

 グレイスは落ち着く場所がどんなところか考える。

「落ち着くところね。温泉とか?」
「それも悪くない」

 どこか遠い場所へ行くのなら、普段乗らない乗り物に乗るのも良い。
 ちなみにエメラルドは船に乗ったことがあるらしく、乗って気分が良かったらしい。

「船に数回乗ったら慣れる?」
「何にだ?」

 グレイスが気になっているのは船酔いのことだとわかり、激しく揺れるものばかりではないので、そういうものに乗らなければ、船酔いする恐れはない。

「乗り物に弱いのか?」
「いいえ。そうじゃないの」

 船の中すら知らないので、そのことも知ろうとすると、船によっては食事ができるところや部屋があることを教えてくれた。
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