闇夜に輝く星
息ができなくて、必死に吸入をしようとするけどうまくできない。
「ゴホッ、ハァハァ。ケホッ」
すると。
「大丈夫だ。ゆっくりゆっくり息吸ったり吐いたりしな。ほら。」
突然現れた男性は瑠愛の吸入を慣れたように口元にあて瑠愛の背中をさすった。
徐々に落ち着きを取り戻す瑠愛。
「ケホッ。す、すみません。ハァハァ…ありがたとう、ございました。」
「大丈夫か?まぁ、きにするな。ところでどこまで帰るんだ?」
「自分の家まで。」
「送ってやるよ。」
その男性は黒のシャツに黒のパンツで全身黒だった。
でも、整った顔立ちと漆黒の闇のような瞳に目がひきつけられた。
「あの…。助けてもらったお礼に。何かしたいんですけど。お名前は?」
恐る恐る聞いてみる。
「俺は奏斗だ。礼なんかいらねぇよ。」