恋するリスク
「あの・・・ありがとう。服まで買ってもらっちゃって。」

「どういたしまして。」

2人で、砂の上を歩く。


「この建物の後ろ側に回ると、すぐ砂浜に出られるんですよ。」


先ほどのお店の店員さんが、私たちにそう教えてくれた。


「お二人で行ってみたらどうですか?」


笑顔で言われ、とりあえず行こうかと足を運んだ私たち。


(絶対、恋人同士だと思われてるよね・・・。)


夏にはまだ早く、夕方の風は少し肌寒く感じる。

それでも、季節を先取るサーファーや若いカップルたちは、これからの季節を待ちわびるように、皆楽しそうに声を上げてはしゃいでいる。

「その服着て海辺にいると、本当に絵になりますね。」

砂浜からの風景を眺めていると、突然、声をかけられた。

甘い表情の佐藤くんに、私は恥ずかしさで居心地が悪くなる。

さっきから、「似合う」だの「キレイ」だの「かわいい」だのと、彼の言葉攻めにあっている。



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