恋するリスク
佐藤くんの顔は、怖くて見れない。

どうしたらいいのかと思いを巡らせていると、その場を凍らせるような、低く、冷たい声がした。

「西村先生。」

驚いて顔を上げる。

明らかに怒っている表情で、佐藤くんは西村先生を見据えていた。

「これ以上、藤崎さんに手を出すのは、やめてください。」


(・・・!)


聞いたことのない佐藤くんの冷やかな声。

凍るような彼の目つきに、私はドキリと息を飲む。

「・・・なんで、佐藤くんにそんなこと言われなきゃいけないわけ?

付き合ってないんだろ。もう彼氏ヅラ?」

売られたケンカを買うように、西村先生は佐藤くんの前に歩み出る。

「そんなんじゃないですよ。・・・そうじゃなくて。

藤崎さんが困ってるとこ、見ていられないだけです。」

「なんだ?それ。オレが真緒を困らせてるとでも言いたいのか?」

「違いますか?」

一触即発。

まさにそんな雰囲気で、2人は睨み合っている。

「あ、あの、佐藤くん、私は大丈夫だから・・・。」

たまらず口をはさむと、佐藤くんは苦しげな眼差しで私を見た。

< 132 / 174 >

この作品をシェア

pagetop