恋するリスク
「ちょっ・・・!危ないなあ!!」

「ごめ・・・!いや、真緒がヘンなこと言うから。」

焦ってハンドルを握り直すと、彼はコホンと咳払いする。

「だって・・・。」

口ごもる私に、横目で視線を投げかける。

「別に・・・何もしたくなかったわけじゃないよ。」

片手でハンドルを操作しながら、佐藤くんは額をかく。

「じゃあ、なんで?」

「なんでって・・・。」

「・・・。」

じーっと彼を見つめる。

助手席からの無言の圧力に耐え切れなくなった彼は、しばしの沈黙の後、観念したように口を開いた。

「あんまりこう・・・がっつく感じだと、また、若いからとか年下だからとか思われそうで・・・。

ちょっと、余裕のあるフリしてたんだけど。」

車内は薄暗くて、表情はよくわからないけれど、どうやらかなり照れた発言のようだった。

私はちょっと、気が抜けた。

「そんな理由!?」

「そんなって・・・。

こっちは、年下扱いされないように必死なんだよ。」

少しムッとした口調。



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