恋するリスク
(だって・・・。)


だって・・・佐藤くんは、キス以外のことを、未だに何もしてくれない。

付き合うことになった日も。

私の家に来た時も。

抱きしめてキスはしてくれるけど、それ以上のことは何もない。

どちらかの家に行くことはあっても、必ず日付が変わる前には送ってくれるし、帰って行く。

酔っ払ったときも、こっちから襲ったにも関わらず・・・何もなかったし。

初めは、紳士的なのかな、とか、すごく大事に考えてくれてるのかな、とかももちろん考えたわけだけど。

でも。

付き合い始めてもうすぐ2か月。

両想いの期間は、それよりもっと、長いのに。

もう少し近づきたい、触れたいって思うのは、私がちょっと・・・急ぎすぎなのだろうか。

「・・・もちろんいいけど・・・。どうしたの?突然。」

しばらく黙っていた佐藤くんが、ハンドルを動かしながら私に尋ねる。

「だって、佐藤くん・・・キス以外、何もしてくれないから。」

「ええっ!?」


キキ――—ッ!


ハンドルが大きく曲がった。

危うく、左のガードレールにぶつかりそうになるところだった。

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