恋するリスク
佐野教授は、私と西村先生が付き合っていたことを、多分知らない。

それで、何も気にせずに、みんなの前でそんな話をしたのだと思う。

いつもなら、色恋沙汰大好き、40歳妻子持ちの百瀬先生が突っ込んでくるところだろうけど・・・。

教授もいるし、驚きすぎて、何も言えなかったんだろうな、という勝手な想像が働いた。

「どういうことかってパニクッてる間に食事会終わっちゃうし。

まあ・・・私が西村先生に聞くのもなんだしね。

とりあえず真緒に聞いてみようかと。

あ、もちろん、無理に話さなくてもいいんだけど。」

そう言って、穂乃香は先ほど届いたグラスに口をつける。

店内に、心地のいいジャズピアノの曲が流れた。

私はしばらく考えてから、今日のことを話し出す。

「今朝ね、フラれたの。」

「えっ!?今朝!?」

穂乃香の目が大きく見開く。

「うん。婚約者がこっちに来るからって。」

「・・・え?待って。えーと・・・ってことは、ずっと婚約者がいるの隠して真緒と付き合ってたってこと!?」

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