恋するリスク
「・・・じゃあ、一応連絡先聞いてもいいですか?」

「うん。」

二人でスマホをかざし、連絡先を交換する。

「それじゃ」と言って歩き出そうとした私を、佐藤くんは呼び止める。

「送りますよ。」

「え?いいよ。すぐそこだし。」

「すぐそこでも、藤崎さんに何かあったら困りますし。送ります。」


(何かあるって距離でもなさそうだけど・・・。)


私はふふっと小さく笑う。

「・・・じゃあ・・・お願いしようかな。」

真剣な表情の佐藤くんがかわいくて、コンビニから徒歩2分程のマンションまで、私は送ってもらうことにした。


「ありがとう。」

マンションに着くと、私は軽く頭を下げる。

歩いて男の人に送ってもらうのなんて、何年ぶりになるだろう。

大人になってから、車で送ってもらうことはあるけれど、歩いてというのは、学生のとき以来かもしれない。

そんなことを考えていたら、少し、甘酸っぱい気持ちになった。

「いえ。じゃあ、また連絡します。」

「うん。待ってるね。おやすみ。」

「おやすみなさい・・・失礼します。」

佐藤くんは頭を下げると、青い屋根のアパートへと足を向けた。

少しだけその背中を見送ってから、私はマンションの中へと入っていった。
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