恋するリスク
嫌な女。

最低だ。

でも。

このまま佐藤くんに抱いてもらえば。

私が気づき始めた佐藤くんへの淡い感情は、きっと、愛とか恋に変わっていく。

そしてきっと、佐藤くんも、そう思ってくれるはず。

そうすればきっと・・・全部上手くいく。

西村先生のことも、きっともう忘れられる。

笑い話に出来るくらい、過去の思い出になるはずだ。

首元にまわした手にぎゅっと力を込めると、佐藤くんは私の背中を抱きしめた。

あたたかい胸の中。

佐藤くんの心臓の音が聞こえる。

その音は、さっきよりもずっと早い。

けれど。

その鼓動の早さとは裏腹に、彼は落ち着いた声を出す。

「藤崎さん。」

大きな手が、私の髪を撫でた。

「藤崎さんにこういうの、似合わないですよ。

オレ、藤崎さんのこと、本気で好きです。

だから、藤崎さんのためにオレが出来ることがあれば、したいと思います。

でも、今オレと何かあったら、多分、藤崎さんは後できっと後悔する。

・・・オレも、すると思うし。」

そう言って私を抱いた腕をゆっくりと解くと、佐藤くんは私のおでこにキスをした。


(・・・!)

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