恋するリスク
妙に尻込みしている佐藤くんを怒るように、私は彼の腕をつかんだ。

「お願いだから、早く取って!!」

「ええと・・・。」

困っているような表情を見せるけれど、私は今、佐藤くんの気持ちを慮る余裕はない。

「お願い!!」

「・・・じゃあ、すいません。失礼します・・・。」

必死に訴えると、顔を赤らめた佐藤くんは、私の背中に手を伸ばす。

ザラザラとした感触は消え、濡れている感覚だけが背中に残った。

「なんでヒトデが・・・。」

わけがわからず肩や背中をハンカチで拭いていると、泣いている男の子を連れたお母さんが、私たちの前に立ち止まった。

「・・・?」

なんだろう?と首をかしげると、そのお母さんは、言い出しにくそうに口を開いた。

「あの、すみません・・・。

この子が、ふざけてヒトデを投げちゃって・・・。」

「えっ!?」


(そ、そういうこと!?)


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