恋するリスク
水族館を出ると、時刻は夕方の4時過ぎだった。

「・・・夕飯まで時間あるし、洋服でも買いに行きますか?」

腕時計を見ながら佐藤くんが呟く。

男の人のこの仕草は、私は昔からなんだか好きだ。

「服、濡れたし冷たいんじゃないですか?

ところどころ、緑にも染まってるし。」

「え?・・・あっ、ほんとだ・・・。」

後ろを見ると、確かに、細かい緑のシミが所々に付いている。


(ヒトデの仕業か・・・。)


館内にいるときはあまり気にしなかったけれど、外に出て風に吹かれると、確かに少し冷える気がする。

「・・・じゃあ、連れてってもらおうかな。」

「はい。」



車は国道を走っていく。

海沿いに出ると、思いのほか道は混んでいて、途中からほとんど進まなくなってしまった。

デパートまで行ってくれるとのことだったけれど、この調子だと、そこに着くのはかなり時間がかかりそうだ。


(夕飯考えてくれてるみたいだし、あんまり遅くなるのも・・・。)


窓の外を見ていると、左の車線沿いに、小さなショッピングモールが現れた。

1階のウインドウには、おしゃれをしたマネキンが立っている。
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