俺だけみとけ!




教室に着くと明里が自分の席に座ってくるりと向きを変えてじっと見てきた。




『どうした?』




ツンとした言い方になってしまったけど、内心すごく嬉しい。


教室に着くといつも明里は、スマホを見つめ宮地さんのメールを待っていたから…





「男目線から見て女子って髪、括ってる方か下ろしてる方どっちがいい?」



なんだ…

そういう事かよ。




『そんな事宮地さんに訊けば?』




俺はイライラを隠せなくなり、席を立ち廊下に出た。


明里…


そんな事俺に聞かないでくれよ!


一瞬でも嬉しいなんて思った自分が馬鹿みたいだ。




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