いつでも一番星


そして恐らく注目されることがあまり好きではないナツくんは、その数を多くは求めていない。それが人と親しくなることをしなくなってしまった理由のひとつのように思う。

もしかすると浅い付き合いが増えてしまったことが原因で、誰かに心を許すことに臆病になってしまったのかもしれない。その結果、ナツくんの心に近づくことも並大抵の努力では叶わないようになっているのだろう。

当たり前だけど、気持ちははっきり伝えない限り届かないらしい。


「そうなんだよ、あいつは優しすぎるんだよ。それで自分の首を絞めてたら本末転倒だっつうのに。無理して笑って仲良くするより、本当に大事なやつらを大切にすればいいのにな。ナツを見てると、いつかひとりぼっちでいようとするんじゃないかって不安になる……」

「横峰くんは、本当にナツくんのこと大事に思ってるんだね。横峰くんがいる限り、ナツくんは絶対ひとりぼっちになんかならないよ」


ため息をついて嘆く横峰くんはナツくんに負けないぐらい優しさに満ちた顔で心配していたから、きっと横峰くんならずっとナツくんの大切な友達でいてくれるんだろうと思えた。

こんなにも気にかけてくれる友達にならナツくんだって心を許しているだろうし、そんなひとりでいようなんて思わないはず。


「……そうだと、いいんだけどなぁ。でもあいつ、最近悩んでるみたいなのにちっとも話してくれねーし……」


だけど気がかりなことがあるのか、ぶつぶつと呟く横峰くんの表情は優れない。

悩んでいるなんていう気になる言葉が出てきて思わずその話を詳しく聞きたくなったけど、ナツくんのことは自分で本人に確かめると言ったばかりなことを思い出して慌てて口を固く閉じた。


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