恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

寝室の扉の前でピタリと止まる課長。

「課長?」
恐る恐る扉をみる。廊下側には何も無いようだ。


課長がくるっと、向きを変えて私を見る。

「山田、休みの日ならいざ知らず……これから会社だ」

「だから、なんなんです? 時間が無いんですよ! 早くしないと! 寝室のドアを開けて下さいよ!」

相撲取りみたいに課長の胸をバンバン掌で押した。

押しに負けた課長が、扉に手をかける。

「早くって…山田、病み上がりなのに大丈夫か? 用意する時間を差し引くと後、30分しか無い」


「それだけあれば十分ですよ」

「お前、思ってた以上に……破天荒だな」課長が扉のノブから手を離し、私の腕を引いた。

体を扉に押し付けられる形の私。

ーーーげ! 何故、この扉に!

恐る恐る足元に視線を向けてみた。


ーーー無い。何も無い。だが、確認すべきは中だ。扉の内側だ。

「課長」

「会社の外だぞ」

ーーーもう! 面倒な男だ!

「上野さん、中に入って下さいよ!」

課長は、私の額に自分の額をあてる。

課長の瞳と目が合って、思わず唾を飲み込んだ。
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