恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜



花束に鼻を近づけて、自然な花の甘い香りを吸った。

「気に入ったか? バラとトルコキキョウ、秋の花のリンドウをアクセントで入れてもらった」

「課長のセンスですか?」

「そうだ。ユイカをイメージして花屋で選んだ。優しい感じだろ」


ーーー優しい? 課長は、私のイメージ、優しいとか思ってんのかなぁ?


花の香りを吸い込んでも、お腹は満たされなかった。


「課長……お腹が減りましたってば!」

「わかったわかった。焼き肉でも行くか?」


「はい、私、焼き肉大好き!」

「よし。行こう」差し出された課長の手に何のこだわりもなく自分の手を合わせた。

当たり前みたいに繋いだ手。
揺らしてみたり、指の腹で課長の手の甲をさすってみた。

ーーーお肌ツルツルだ。


「お前、いやらしい触り方するなよ」

「は? そうじゃなくて、私、課長と手を繋いでも何の感情もないなあって思って」

比べていた。神島課長に触られた時は緊張したし、へんな気分になった。


ーーー上野課長とは……。


「俺が手を握っても意味ない女は、お前くらいだろうな」

上野課長は、大袈裟に首を横に振ってみせた、





< 138 / 223 >

この作品をシェア

pagetop