恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「お前、白桃缶買いにきたの?」
ビニール袋から透けて見える白桃缶。
「はい、ここの白桃缶がえらく気に入ってまして」
「へぇ、そんな缶詰めどこにでも売ってそうだけどなぁ」
私の持っているビニール袋を覗く課長。
「課長こそ、結局なんのワインを買ったんですか?」
「ん? 良く知ってるな。やっぱり、お前ストーカーだろ」
「ち、違いますよ!」
愉快そうに笑う課長が私を見た。
「なあ、山田、デートは?」
ーーーはっ! そうだった。忘れてた!
「えっと、神島課長が残業らしくて……また、今度になりました」
「へぇ、山田は残業に負けたんだな」
「負けたとかじゃないんです。ちゃんと埋め合わせしたいって言われてますから」
ーーー言われてる訳が無いけど、ここはこう言うしかないし。
また見栄を張った。くだらないプライドなんか捨てたかった。でも、また嘘をついた。