恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
クゥ〜ン……
クゥ〜ン……
まるで耳元で鳴かれたような気がして、ガバッとベッドの上に跳ね起きた。
ーーーまただ。
やはり、聞こえた。犬の声。切ないように鼻を鳴らすような鳴き方だった。
ベッドサイドにある目覚まし時計を持ち上げた。
ーーー午前3時45分。
「あっ!」
犬の足音が聞こえた。
廊下の方だ。
急いでベッドをおりて廊下へ出る。
フローリングの床に耳を当てると、やはり犬の鳴き声がより鮮明に聞こえる。
ーーーどこで鳴いてるんだろ。ずっと鳴いてるじゃん。
それから、どこかにいる犬は延々と鳴き続け、時に走ったりした。
ーーー気になって眠れないよ。まったく……管理人さんに聞けば、どこの犬かわかるかな?
私は、ベッドの上でため息をはいた。
横に敷いてあるマットレスを見て、課長を思い出していた。
ーーー課長か。
昨日見た課長の体を思い出していた。割りと引き締まった感じで、清潔そうな体毛と肌質。
それに、課長とのキス。
ーーー思い出したくないのに、勝手に出てくる。全く、どこまでしつこいんだろ?
ベッドに横になり、ゴロっと転がりわざとマットレスに落ちてみる。
ーーー痛くない。
マットレスに大の字に寝てみた。
ーーーあ、なんかムスクみたいな香りがする。
うつ伏せて、マットレスのにおいをかぐ。
ーーーこれ、課長の香りだ。抱きしめられた時にしたのと同じ香り。
私は、そのまま瞼を閉じた。