現代のシンデレラになる方法
夜中の22時。
先生は、突然私が訪れてきたことに何事かと驚いているようだった。
「こんな時間に、そんな思いつめた顔してどうした?何かあったのか?」
何も連絡せずいきなり押しかけたのに、先生はいつもと変わらず優しく出迎えてくれた。
こんなに優しい先生を裏切って、今まで男の人とホテルにいたなんて……。
本当になんてことをしてしまったんだろう。
罪悪感で胸がきりきり締め付けれる。
先生と迎え合わせにソファーに座り、俯きながら切り出した。
「……あ、あの先生、私。今まで他の男の人とホテルにいました……」
先生からの返事はない。
私も怖くて先生が見れなかった。
重い沈黙が続くと、やがて先生が口を開いた。
「……それで?それをわざわざ俺に言いに来たんだからまだ何かあるんだろ?」
それは、暗く低い声。
先生が本当に怒るとこんな声になる。
「す、すいません、先生とできないのが嫌で、少しでも男の人に慣れたくて……っ。」
「まさか、そんな理由で?」
「ごめんなさい、どうしても先生に飽きられるのが怖くて……っ」
今、先生は一体どんな顔をしてるんだろうか……。
怒っているだろうか、それとも悲しそうな顔をしているだろうか。
どちらであっても先生を傷つけてしまったことには変わりない。
「で、その男って誰?」
「……」
「……俺には言えない奴な訳?」
更に怒気を含んだ言い方に思わず、膝の上の手をぎゅっと握った。
泣くな、今の私に泣く権利なんてない。
ピンポーン
不意になったチャイム。
「ちょっと待ってろ」
そう言ってモニター越しに訪問者を確認をすると、そのまま先生は部屋から出て行ってしまった。