現代のシンデレラになる方法



朝の一悶着後、OPE患のバイタルをとり終わってやっとのことで1人遅れてお昼休憩に入る。

そこには、そのOPEに入っていた東條先生と昴の姿も。

食堂で仲良く並んで食べる2人。

昴は定食、先生はまた彼女のお弁当が復活していた。

しかし、私がすぐ後ろで食べていることに全く気付いていない様子。


「そんな、おっぴろげにしていい訳?またあの子いじめられちゃうんじゃないの?」

「大丈夫だ、今度は俺が守ってやるからって言いたいんだけど。口出しするなって言われててな」

「だめじゃん」

「でも、今日のあれ聞いてたろ?あんな良い子、いじめる気もなくすと思うんだが」

「まぁ、良い子だとは思うけどさ……。あのさ、西原綾子とかどうなの?」

思わずムセそうになって、なんとか耐える。

ちょっと馬鹿じゃないの!
なんてこと聞いてんのよ!

「西原?なんでいきなり西原が出てくるんだよ」

ごもっともでございます、先生。
なんでしたら私の変わりに、おかしなことを言うそいつの頭を一発殴ってやってください。

「あの人美人じゃん」

「まぁ、綺麗だとは思うけど。なんだ、お前西原のことが好きなのか」

「ちげーよっ」

「そういえば、西原とどんな関係なんだ」

「え?ただの仕事仲間だけど」

「それだけかー?」

「何もないよ。あの人好きな人いるし」

そこでいてもたってもいられず、2人の会話に乱入した。

「ちょっと、私の好きな人がなんですって?」

「うわっ!」

兄弟揃って化け物でも見たような顔をする。

そこからは2人に混じって3人で食べた。

昴がこれ以上余計なことを言わないように。

しかし、これは早めに言わないとダメだな。

もう東條先生は好きじゃないって。

なんだか信じてもらえなさそうだけどさ。



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