人魚と恋


その日は、プールの話をしてた。

「今はまだ中学生だから、泳げない子もそれなりにいて、まだ大丈夫だけど、高校生になったら泳げるようにならなきゃだよね…?」

不安をお姉ちゃんに漏らす。

「大丈夫だよ、
あ、大丈夫っていうかね、
お姉ちゃんも優美みたいにカナヅチだねどなんとかやっていけたし。
なんとかなるなる。」

私はお姉ちゃんを笑った。

「お姉ちゃん本当にダメだよね〜
水に入るのも嫌がるし、潜れって言われたら死んじゃいそう!」

お姉ちゃんは否定せずに笑ってた。
私は本棚から本をとってきて、お姉ちゃんに見せる。

「でも、私は人魚姫好きだから、
人魚みたいにすいすいって泳げるようになりたいな〜
こんな感じでさ!」

お気に入りの、人魚姫が伸び伸びと海底を泳ぐ挿絵を見せる。

「ふふ、いいね。
お姉ちゃんも憧れちゃうな〜」

「せめて蹴伸びできれいに進みたいね」

そのあとは2人でいつか泳げるようになろうね、と約束して眠った。

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