ご主人様に監禁されて
◇◇◇
昔は、家に帰ると1人だった。
母親は家によりつかずに王女について仕事に専念していたし、父親は汚かろうが何だろうがの仕事で帰ってこなかった。
兄は父親の仕事の勉強だった。
だからドアを開けた時に、メイが飛びついてくるのがたまらなく幸せだった。
それだけで家に帰るという幸福感を味わえた。
鼻歌交じりに、ルイはシュークリームを手にドアに手をかけた。
あの小動物のような少女が、自分を待ちわびている。
そう思うだけで、叫びだしそうになるくらい嬉しかった。
ガチャりとドアノブに手をかけて、回す。
野崎の家の玄関が広がったが、あのうさぎの耳のようなツインテールは見えなかった。
「メイ?ただいま、帰ったよ」
「私の家なのですが…メイさーん」
隣の野崎も声をかけたが、メイの姿が見当たらない。
トイレだろうか、と思いながら廊下を抜け、リビングの扉を開く。
「一一え、」
そして、絶句した。
先ほどお昼を食べた机やメイが絡んでくるソファがひっくり返っていたのだ。
食器棚は倒れ、まるで強盗が入ったかのような荒れっぷり。
メイが見せてきた問題集は、複数の足跡に踏み潰されていた。
そして、肝心のメイは、消えていた。
「わ、わわっ……な、なんですかこれ!?」
部屋の主、野崎が声を荒らげる。
当然だ、自分の家が荒らされてるのだから。
「一一め、メイさんっ」
しかし、それよりも優先事項らしい、ドタバタと廊下へ戻って、ほかの部屋を見て回った。
トイレや浴室まで探したが、あのツインテールは確認出来なかった。
荒らされてるのはリビングだけ、物取りの犯行なら、寝室を襲わないのは不自然だった。