ご主人様に監禁されて
ワゴンに乗せてメイのもとに届けるのが、ルイの仕事である。
誰も立ち入らないように入り交じった廊下の奥に、メイの部屋はある。
豪奢な彫りが入った木の扉をノックなしに開け、ワゴンを中に入れる。
メイの香りが貯まった部屋をすすみ、主に食事をするテーブルにお盆を置いた。
部屋というのには少し広めな部屋の奥をみやれば、天蓋付きのベッドが小さく膨らんでいた。
愛しい存在を確認し、厚手のワインレッドの遮光カーテンを開いた。
いつもよりも昇った陽が、入り込んでくる。
今日は晴れそうだ、と心の隅で思いながら、彼女のまつベッドへと向かった。
「メイ、起きろ」
いつもの台詞を繰り返した。
その声にもぞもぞと反応し、逃げるように奥に入ったメイ。
「やあ……ねむぅ…です…」
「メイ」
「おぁ……ふみなさい」
おやすみ、と勝手に眠ろうとする。
「メイ、確かに今日はおれも寝坊をした。いつもより30分近くだ。さすがに今日は遅くなってしまったからな。だが、いつも言っているように、こういう臨機に対応できるのが立派な淑女の条件だ。いつも乱さず、このような異事にも動することなく過ごすの「わかりまひたよご主人様ぁ…」
拷問を聞くならば起きた方がましである。