ベランダから見える星
「さようなら。」


私はお母さんとお父さんを置いて先に家を出た。


罪悪感とか後悔だとかよくわからないいろんな感情がグチャグチャと胸の中にあって。


壊れちゃいそうだった。


でもそんな私を救ってくれるのは…



「ほら静ちゃん,帰ろ!」


やっぱりお母さん。


何だか素直に頷いちゃう。


私は差し出された手を握り,お母さんと少し歩いた。


しばらく歩き,落ち着いた頃,お父さんが車にもたれ掛かってるのが見えた。



「お父さん…」


「ごめんな。
 あいつの気持ち知らなくて…そのせいで静を傷つけてしまった。」


さっきお母さん,そして私も言った言葉聞いてなかったの?


自分が言われなきゃ分からないものなのかな。



「お父さんも悪くない。
 だって私…生まれてきて幸せだもん。」


今までの私は人生なんなんだとか苦しんでた。


明日が楽しみじゃなかった。


けど今は『明日はどんな一日だろうか』と思えるようになった。


これって生まれてこなかったら分からなかったことでしょ?


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