ベランダから見える星
なんて綺麗事。


私…そろそろ本音言ってもいいかな。


“葵の幸せ”かどうかなんて分からないけど。



「葵…なんで私なの?」


「分かんない,全部かな?
 気付いたらハマッてたな−。
 あっでも,せーちゃんの笑った顔はすっげ元気になれるから好きっ」


…ありがと。


口じゃ言えないから心の中で言っとくよ。



「顔赤いよ。」


「せーちゃんのせいだ!」


「待っててくれる?
 長いけど…」


傷付くことを恐れて何も言わないなんて駄目ね。


まだ未来のことは分からないのに。



「まだいつ帰ってくるか分からないけど…
 待っててくれる?」


葵は目を丸くして固まった。


まさか『待ってて』なんて言われるとは思ってなかっただろうし。



「そのかわり向こうにいる間,一切連絡しないから。
 それでもいいの?」


すると葵は何度も首を縦に振った。


そして『よっしゃ!!』と葵が空港のロビーで叫ぶから,みんなに居場所がバレた。


葵と二人でいるから千香が怒った顔で近付いてくる。


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