ベランダから見える星
「いい場所あったら教えろよ?」


分かってるよ,拓海。


邦光さんと写真撮りにくるの楽しみにしてる。



「帰ってくる頃には立派な社会人のはずだから高級レストラン奢ってやるよ。」


実,立派って…半人前くらいだと思うよ?


でも楽しみにしてる。



「ルナは任せといて?」


葵…


ごめんね?


もっと早く告ってたら少しは状況が違ってたかもしれないね…



「あれっ音緒は?」


「さっきまでいたよな?」


みんなが辺りを見回す中,私とお母さん,そして葵は何とも言えず苦笑い。



「みんなありがとね!
音緒によろしく言っといて?」


これ以上は限界。


涙が溢れそう…


みんなに背を向けたとき,まだ電源を落としてなかった携帯が鳴った。


開くと音緒からで…


【行ってらっしゃい(^O^)/】


だから泣きそうだってば…


私はもう一度みんなのほうを向き,涙を堪えて口にした。



「いってきます!!」


さぁ旅の始まりだ。


絶対成長して帰ってくるから。


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