躊躇いのキス
 
「これが個人的にお勧めしているものなんだけど……
 ダイヤの大きさは、一番人気のものと同じ。

 だけど見て分かるように、こっちのデザインはリングがダイヤを囲うようになってて……
 その両サイドに小さい0.03カラットのダイヤがついてるの」



初めてこの指輪を見たとき、
この世にこんな綺麗なジュエリーがあるんだ……と感激した。

それ以来、あたしはずっとこのリングの虜……。


売られるたびに、嬉しさと羨ましさが入り混じってた。



「へえー……」



説明をすべて聞き終えた雅兄は、一つ一つ指輪を手に取って確かめていて……。

だけど3つめの指輪を手に取ると、



「え……?」

「ちょっとしてみて」

「あっ……」



あたしの指輪に、それを嵌めてしまった。
 
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