躊躇いのキス
 
あたしと同じサイズで用意して、と言われていたので、
もちろんその指輪はあたしの指にピッタリとはまっていて……。


「確かに綺麗だな」


と雅兄は納得したように頷いている。


うんうん。
ほんと綺麗。

だけど……



こんな形で、
あたしの指にはまってしまうなんて……。



やりきれない想いが沸々と湧いてくる。



「じゃあ、これで」



雅兄は残酷にもその指輪を選んで……



「ありがとうございます……」



と、お客としてでいい、と言われてたのについ従業員としての返事をしている自分がいた。


あとは、理恵子先輩にバトンタッチして、
包装やら会計やらをしてもらっている。





ほんとあたしって……

バカな女だな……。

 
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