躊躇いのキス
 






「絶対におじいさんたち、起きちゃってたし……」


情事が終わって、ようやく我に返った。


最初の頃は、それこそ声を抑えようと必死だったけど
気が付けばあたしの声は、家中に響いているんじゃないかと思えるくらいの声になっていて……。


「ああ。大丈夫じゃね?
 っつか、誰もいないし」

「ええ!?」


さらりとそんなことを言う雅兄に、ガバッと振り返った。


「じいちゃんなら、理事会かなんかで、今日は泊まりだし。
 だから丸山さんも今日は来てねえよ」

「そ、それを早く言ってよ!!」

「んー?
 だって必死に声を押し殺してる侑那とか、可愛いじゃん?」

「…っ」


にやっと笑って詰め寄る雅兄に、ビクッと肩を震わせた。


わざとだ……。
絶対にわざと……。


「途中から、そんなこともすっかり忘れて喘じゃっ……」

「わーーー!!」


恥ずかしさのあまり、雅兄の口をふさいだ。
 
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