躊躇いのキス
「ま、雅兄の鬼畜!変態!!」
「褒め言葉?」
「違う!!」
あたしの暴言にすら、ただ笑ってかわしてて、あたし一人顔を真っ赤にさせている。
いつもいつもそうだ。
雅兄は人のことをからかって楽しんで……。
「もういい。
雅兄なんか知らない」
「そんなこと言っちゃうんだ?」
「……」
「そう!」とかきっぱり言えないあたしの性格も、完全に分かり切ってる。
「侑那」
「……何」
「週末、どっちか早番?」
「え?……確か土曜日は……」
「その日、真っ直ぐ帰ってきて。
挨拶に行くから」
その言葉に、ドキッとして、背中を向けていた雅兄へと振り返った。