AfterStory~彼女と彼の話~

├初めてのドライブ(沙紀×彰)

«東雲沙紀×南山彰の場合»

side沙紀

大型連休の最後の日曜日、私は彰が住んでいるマンションに来たんだけど、今回は中には入らずに外にいる。

何故なら、此から彰とドライブに行くことになっているからだ。

毎年連休中は生活安全課で夜の見回りを強化するのが通例で、未成年らしき少年少女達に声かけをすることにしている。

普段より連休中の方が未成年の補導が多いので、仕事が終わるのが深夜になるのはざらなので、連休中の生活安全課はプライベートな時間は無く、連休が終わってからそれぞれの休みを取るのが多い。

私も先日彰から電話がかかってきたけれど、お互いの仕事の状況を話して、休みが取れるとしたら今日の日曜日になったのだ。

今まで彰の部屋で過ごすのが多かったから、ドライブだなんて初めてだなぁ。

わくわくしながら彰が来るのを待っていると、マンションの入り口が開いて私服姿の彰が出てきて、手には籠をもっていた。

「待たせた」
「ううん、そんなに待ってないよ。それより、その籠は?」
「あー…、猫が入ってる」

彰が私に見せるようにかかげると、籠の中に彰が飼っている猫が気持ち良さそうに寝ていた。

「ずっと部屋にいるから、たまには外に連れて行きたいと思ってたんだ」
「そうだよね、天気も良いから何処かの広場で遊ばせようか?」
「連れて良いの?」
「勿論!」

数年前の雨の日、傘を指さずに猫を拾う彰の姿を見てから好きになり、私にとってもこの猫は大切なので、一緒に遊ぶのは気にならない。

普段から彰は危険な仕事をしていて気難しい所もあるけれど、プライベートで見せる顔は優しくて、B警察署の皆は彰のこういう所を見たことがないだろうな。
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