AfterStory~彼女と彼の話~
├星野美空✕水瀬幸雄の場合
side星野美空
私は目の前にそびえ立つ大きな建物の高さにぽかんとしながら見上げ、その隣にいる幸雄さんも同様だ。
「間違っていませんよね?」
「昨日も今もスマホのナビで確認したから、合っている筈だから、受付で南山と俺の名前を言えば通してくれるって」
幸雄さんが私の右手を優しく握り、2人で中に入るとマンションの受付ではなくてホテルなんじゃないかと思えるくらいの豪華なシャンデリアや大理石の床が凄くて、1人そわそわしてしまう。
受付に行くと高坂専務の様に立派なスーツに身に纏う男性が私達に気付き、優しく微笑んだ。
「こんにちは。南山に会いに来ました、水瀬幸雄です」
「お待ちしておりました。南山様から伺っておりますので、お部屋迄ご案内します」
男性に連れられてエレベーターに行くと、ここも立派な装飾で、どうしよう、手に持っているお土産を気に入ってくれるだろうか?
エレベーターに入り、男性が階数ボタンを押すとドアが閉まって、階数の数字がどんどん増えていく。
「独り言を言います。南山様の元にお尋ねになられる方は東雲様が来るまで誰も無く、いつもお一人でした」
男性は私達に振り向かず、ただ真っ直ぐ前を向いている。
「東雲様が来てから南山様の表情も穏やかになり、いつも受付でそれを観るのが密かな楽しみなのです」
まだエレベーターは上昇を続ける。
「南山様から『大切な先輩が来るから、それが楽しみで仕事を頑張れる』と仰っていまして、今日水瀬様達が来られ、また南山様の日常が穏やかになることを嬉しく思います」
どうしよう、これから本人に会うのに涙が…、すると幸雄さんがそっと背中を優しく叩く。
「そう言って頂けて、俺達も嬉しいです」
目的の階数に到着すると男性は開くボタンを押し、私達を先に降りるように左手を差し出すので、私達は降りて男性の方に振り向いた。
「独り言にお付き合い頂いて、ありがとうございます。どうか南山様には御内密に」
男性は人さし指で秘密の仕草をすると深く頭を下げ、エレベーターの扉は静かに閉まった。
「南山は幸せ者だな」
「ええ。私達が南山さんの日常が穏やかになることのお手伝いが出来て、嬉しいですね」
私はバックからハンカチを取り出して流れた涙をそっと拭いてると、幸雄さんが私の顔を覗いて見上げる。
「涙は引っ込んでいるから大丈夫だよ」
「良かったです」
「ほら、南山と東雲さんが待っているから、行こうか」
「はい!」
幸雄さんと顔を見合わせて微笑み合い、手をギュッと握り、並びながら歩いていった。
私は目の前にそびえ立つ大きな建物の高さにぽかんとしながら見上げ、その隣にいる幸雄さんも同様だ。
「間違っていませんよね?」
「昨日も今もスマホのナビで確認したから、合っている筈だから、受付で南山と俺の名前を言えば通してくれるって」
幸雄さんが私の右手を優しく握り、2人で中に入るとマンションの受付ではなくてホテルなんじゃないかと思えるくらいの豪華なシャンデリアや大理石の床が凄くて、1人そわそわしてしまう。
受付に行くと高坂専務の様に立派なスーツに身に纏う男性が私達に気付き、優しく微笑んだ。
「こんにちは。南山に会いに来ました、水瀬幸雄です」
「お待ちしておりました。南山様から伺っておりますので、お部屋迄ご案内します」
男性に連れられてエレベーターに行くと、ここも立派な装飾で、どうしよう、手に持っているお土産を気に入ってくれるだろうか?
エレベーターに入り、男性が階数ボタンを押すとドアが閉まって、階数の数字がどんどん増えていく。
「独り言を言います。南山様の元にお尋ねになられる方は東雲様が来るまで誰も無く、いつもお一人でした」
男性は私達に振り向かず、ただ真っ直ぐ前を向いている。
「東雲様が来てから南山様の表情も穏やかになり、いつも受付でそれを観るのが密かな楽しみなのです」
まだエレベーターは上昇を続ける。
「南山様から『大切な先輩が来るから、それが楽しみで仕事を頑張れる』と仰っていまして、今日水瀬様達が来られ、また南山様の日常が穏やかになることを嬉しく思います」
どうしよう、これから本人に会うのに涙が…、すると幸雄さんがそっと背中を優しく叩く。
「そう言って頂けて、俺達も嬉しいです」
目的の階数に到着すると男性は開くボタンを押し、私達を先に降りるように左手を差し出すので、私達は降りて男性の方に振り向いた。
「独り言にお付き合い頂いて、ありがとうございます。どうか南山様には御内密に」
男性は人さし指で秘密の仕草をすると深く頭を下げ、エレベーターの扉は静かに閉まった。
「南山は幸せ者だな」
「ええ。私達が南山さんの日常が穏やかになることのお手伝いが出来て、嬉しいですね」
私はバックからハンカチを取り出して流れた涙をそっと拭いてると、幸雄さんが私の顔を覗いて見上げる。
「涙は引っ込んでいるから大丈夫だよ」
「良かったです」
「ほら、南山と東雲さんが待っているから、行こうか」
「はい!」
幸雄さんと顔を見合わせて微笑み合い、手をギュッと握り、並びながら歩いていった。