AfterStory~彼女と彼の話~
side星野美空
「お邪魔しました!凄く楽しい時間でした」
「南山も東雲さんも今度は俺の部屋に来て、美空と一緒に食事をしましょう」
南山さんのご自宅を後にしてエレベーターを降りて、受付の男性は私達に微笑み、私達も会釈してマンションを出た。
「ねぇ美空、今度は下から桜を見上げようよ」
「はい、見たいです!」
幸雄さんが桜並木の方を指さしをしたので、私は即答し、2人で手を繋ぎながら桜並木の方へ並んで歩く。
南山さんのマンションのベランダで写真を撮ったけど、下から見上げる桜もやっぱり綺麗で、風が吹けば桜の花びらが舞い降りて、凄く良いなぁ。
ふと幸雄さんをみると頭の上に桜の花びらがついていたので、私は右手を伸ばして花びらを取る。
「ついてましたよ」
「ありがとう。でも美空もついてるよ」
「え?何処に?」
私は取ろうと頭の上に手を置こうとする。
「取るから屈んで」
「こうですか?」
「取れた」
「ありがとー」
その続きの言葉は幸雄さんの唇で塞がれ、小さなリップ音を出して唇が離れる。
私と幸雄さんって、私が5センチ背が高くて周りからは色んな目で見られるけど、幸雄さんは全然私の身長に対して気にしてなくて、恋人が幸雄さんで本当に良かったと思える毎日を過ごしている。
「やっとキス、出来た」
「も、もぅ!」
「だって美空とこうして過ごせるのも久しぶりだし、南山と話してたらさ、したくなったんだよ」
「でも、ここ外ですよ!」
「じゃあ、俺の部屋なら良いってことでしょ?」
私の事を試すように幸雄さんは見上げ、私は何も言えなくて先に歩き出す。
「待ってよ」
「幸雄さんのせいですって…、あっ」
「危ない!」
私は早歩きで桜並木を進むとつまづいて転びそうになり、幸雄さんが私の腕を掴んでくれて転ばなくてすんで、あ、危なかった。
「そういえば美空と初めてのディナーに行った時も、転びそうになったよね」
「ありました。その時の幸雄さんの周りが、キラキラとした星が見えたんですよ」
「そうなの?」
「はい。その後はこうして手を繋ぎながら歩いて、どんどん幸雄さんの存在が大きくなりました」
「そっか…、俺もだよ」
幸雄さんがあの時の様に私の手をギュッと握り、2人で顔を見合わせて微笑むと、桜の花びらがまた風に吹かれて舞っていくので、2人で見上げる。
「幸雄さん」
「ん〜?」
「来年も、再来年も…、ずっとずっと一緒に並んで桜を見たいです」
「ああ。白髪の俺でも良いのなら」
「勿論です」
その時の私はどんな女性で幸雄さんの隣で歩いているのかな?白髪の幸雄さんならすっごく素敵だろうなと、遠い将来に期待が膨らむ。
「ねぇ、美空」
「はい?」
「俺の隣に並んで歩いてくれて、ありがとう」
「私こそ…、トールサイズ女子の私の事を好きになって頂いて、ありがとうございます」
「まだあっちにも桜並木が続くから、並んで歩こう」
「はい!」
私達は桜並木の終着点に向けて歩き始めた。
「そういえば四つ葉でもお花見をするって、高坂専務が張り切ってましたね」
「毎回突然の思いつきだけど、高坂専務らしいな」
「“四つ葉の三姉妹”で場所取りをするんで、ちょっと楽しみです」
「それ、良いね。仁はきっと『花見なんて行かない』って言うけど、たまには参加して欲しいな」
「ん〜、人数が多いのが苦手なんですよね」
「そうなんだよ。まぁ仁は仁の過ごし方があるし、強制はやめよう」
「ですね」
私達は荒木編集長の事で盛り上がり、桜の花びらが舞い降りる桜並木を歩き続けた。
美空✕幸雄の場合Fin
2026/04/02
「お邪魔しました!凄く楽しい時間でした」
「南山も東雲さんも今度は俺の部屋に来て、美空と一緒に食事をしましょう」
南山さんのご自宅を後にしてエレベーターを降りて、受付の男性は私達に微笑み、私達も会釈してマンションを出た。
「ねぇ美空、今度は下から桜を見上げようよ」
「はい、見たいです!」
幸雄さんが桜並木の方を指さしをしたので、私は即答し、2人で手を繋ぎながら桜並木の方へ並んで歩く。
南山さんのマンションのベランダで写真を撮ったけど、下から見上げる桜もやっぱり綺麗で、風が吹けば桜の花びらが舞い降りて、凄く良いなぁ。
ふと幸雄さんをみると頭の上に桜の花びらがついていたので、私は右手を伸ばして花びらを取る。
「ついてましたよ」
「ありがとう。でも美空もついてるよ」
「え?何処に?」
私は取ろうと頭の上に手を置こうとする。
「取るから屈んで」
「こうですか?」
「取れた」
「ありがとー」
その続きの言葉は幸雄さんの唇で塞がれ、小さなリップ音を出して唇が離れる。
私と幸雄さんって、私が5センチ背が高くて周りからは色んな目で見られるけど、幸雄さんは全然私の身長に対して気にしてなくて、恋人が幸雄さんで本当に良かったと思える毎日を過ごしている。
「やっとキス、出来た」
「も、もぅ!」
「だって美空とこうして過ごせるのも久しぶりだし、南山と話してたらさ、したくなったんだよ」
「でも、ここ外ですよ!」
「じゃあ、俺の部屋なら良いってことでしょ?」
私の事を試すように幸雄さんは見上げ、私は何も言えなくて先に歩き出す。
「待ってよ」
「幸雄さんのせいですって…、あっ」
「危ない!」
私は早歩きで桜並木を進むとつまづいて転びそうになり、幸雄さんが私の腕を掴んでくれて転ばなくてすんで、あ、危なかった。
「そういえば美空と初めてのディナーに行った時も、転びそうになったよね」
「ありました。その時の幸雄さんの周りが、キラキラとした星が見えたんですよ」
「そうなの?」
「はい。その後はこうして手を繋ぎながら歩いて、どんどん幸雄さんの存在が大きくなりました」
「そっか…、俺もだよ」
幸雄さんがあの時の様に私の手をギュッと握り、2人で顔を見合わせて微笑むと、桜の花びらがまた風に吹かれて舞っていくので、2人で見上げる。
「幸雄さん」
「ん〜?」
「来年も、再来年も…、ずっとずっと一緒に並んで桜を見たいです」
「ああ。白髪の俺でも良いのなら」
「勿論です」
その時の私はどんな女性で幸雄さんの隣で歩いているのかな?白髪の幸雄さんならすっごく素敵だろうなと、遠い将来に期待が膨らむ。
「ねぇ、美空」
「はい?」
「俺の隣に並んで歩いてくれて、ありがとう」
「私こそ…、トールサイズ女子の私の事を好きになって頂いて、ありがとうございます」
「まだあっちにも桜並木が続くから、並んで歩こう」
「はい!」
私達は桜並木の終着点に向けて歩き始めた。
「そういえば四つ葉でもお花見をするって、高坂専務が張り切ってましたね」
「毎回突然の思いつきだけど、高坂専務らしいな」
「“四つ葉の三姉妹”で場所取りをするんで、ちょっと楽しみです」
「それ、良いね。仁はきっと『花見なんて行かない』って言うけど、たまには参加して欲しいな」
「ん〜、人数が多いのが苦手なんですよね」
「そうなんだよ。まぁ仁は仁の過ごし方があるし、強制はやめよう」
「ですね」
私達は荒木編集長の事で盛り上がり、桜の花びらが舞い降りる桜並木を歩き続けた。
美空✕幸雄の場合Fin
2026/04/02