AfterStory~彼女と彼の話~

├宝条真琴✕荒木仁の場合

※まだ荒木さん本編は未完ですが、恋人設定としてお読みください

side荒木仁

「花見なんて行かない」
「やっぱり、そうか」
「断られて高坂、悲しい。姫川は?」
「俺だって行かねぇし、お前の面倒をみたくねぇ」

俺が花見に行かないとそう答えると、水瀬はがっくりし、高坂さんは泣き真似をしていると、俺の隣で姫川も同じ答えを言い、泡がいっぱいの飲み物を飲む。

毎回高坂さんは突然の思いつきでイベントをやるけど、俺は酒を飲むなら静かに過ごしたいし、花見なんて酔っ払いが多い中で見るものじゃない。

ロックを一気に飲み、静かにグラスを置いて立ち上がる。

「明日も取材があるし、帰る」
「俺も行く」
「またね」

三斗がグラスを拭きながら挨拶し、俺は鉄の扉を開けて姫川と一緒に駅に向かう。

「高坂の奴、サボりたいだけだろ」
「きっとそう」

道中、お互い高坂さんの事で話しをしながら歩いていると、一本の桜の木が五分咲きに咲いていて、こうして静かに咲いているのを静かに見たいものだ。

「都会でもこうして咲くんだな」
「これくらいが丁度いいし、静かに見たい」
「酔っ払いの高坂の相手をするよりマシだもんな」
「本当だ」

姫川とは駅で別れ、アルコールの香りがまだするからリセットする為に自販機で水を買って、電車が来るまで飲む。

すると黒パンツに入っているスマホが揺れたので取り出して画面をタップすると、宝条さんからメッセージを受信していたので開く。

『四つ葉のお花見の場所取りを、“四つ葉の三姉妹”でする事になりました!』

続けて花が咲いたスタンプが送られてきて、宝条さんは花見を見に行くタイプか。

それは良いけどお酒に酔った社員達に絡まれたら嫌だな、でも参加は駄目って言えなくて難しい。

『分かった。姫川達との飲み会は終わったから、今から帰る』
『気を付けて帰って下さいね。帰ったらホットミルクを一緒に飲みたいです』
『ああ、俺も一緒に飲みたい』

メッセージのやり取りを終え、水を一気に飲み干して電車に乗った。

シェアハウスに帰宅し、ホットミルクを飲み終えたら俺の部屋でお互いを求めあって、今は俺の腕の中に宝条さんがすっぽりと収まっていて、話題は四つ葉の花見になる。

「荒木さんも来ないんですか?」
「人の多さも苦手だし、酔っ払いが多い中で見るのは好きじゃない」

俺がそう言うと、宝条さんはほんの少し残念な表情をしたけど、すぐ切り替える。

「確かに皆お酒を飲んだりしますよね」
「見るなら静かにじっくりと見たい」
「都内はどこも人が多いですし、何処かで静かに見れる場所があると良いですね」
「ほんとだな。それと四つ葉の花見ではお酒は飲み過ぎないように気を付けて、帰る時は連絡をして」
「はい。明後日のお花見を楽しみます」
「じゃあ、今は宝条さんを十分楽しむ」

俺は体を起こして宝条さんを組み敷いて見下ろすと、水槽からの光で宝条さんの何も身に纏っていない体がよく見えて綺麗だな。

「荒木さん?」
「花より“こっち”がいい」
「ん…」

団子より、断然こっちが甘くて好きだ。
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