AfterStory~彼女と彼の話~
├四つ葉のお花見side秋山真司
side秋山真司
両手にスーパーの袋をいくつも持ちながら歩き、俺の隣で歩いている水野もいくつものスーパーの袋を持っている。
「これだけあれば高坂専務も文句は言わないだろう」
「そのワインの小さな瓶は高坂専務が飲むんだろ?」
俺は水野が持っているスーパーの袋から見えている小さな瓶に目を向けると、水野は溜め息をつく。
「銘柄を指定するのは良いけど、重くてしんどいし、買い出しよりも原稿を書きたいよ」
「俺も写真を撮るほうが良いに決まってるけど、“じゃんけん対決”で負けたから仕方ないだろ」
四つ葉の花見の買い出し係りをスポーツ部の中から決めることになり、荒木編集長は一番手で勝ち抜けし、俺と水野が最後まで残り、買い出し係りに任命された。
後は俺達の同期であるタウン情報部の九条さんは宝条さんと総務課の星野さんの3人で場所取りをするって、買い出しに出かけようとした時に九条さんから聞き、この3人って何の繋がりで知り合ったんだ?
早く袋を降ろしたいと思いながら歩き、ようやく宝条さん達の姿が見えてきて、俺達もレジャーシートの上に上がり、シートの真ん中に袋をどんどん置いていく。
「こんなに沢山の買い出しをありがとうございます」
「まだ皆さんが来ていないので、休んで下さい」
「飲み物はこっちの方に置きます?お菓子は紙皿に移します?」
3人はわいわいしながら袋から食材を取り出して準備を始めるので、俺もアルコールが入った袋を手に取って、何本かを纏めてレジャーシートの誰も座っていない場所に置いていく。
水野も九条さんと一緒にお菓子を取り出して、宝条さんもおしぼりや紙皿を用意していたら、続々と四つ葉の人達がやってきた。
「“三姉妹”たち〜、昼から場所取りをありがと。水野も秋山も沢山買ってきてくれて、ありがとう」
高坂専務は上機嫌で俺達の肩をバンバン叩き、痛いんだけど。
「今日は頭の固いおっさん達は誰一人いないから、思う存分、楽しもう」
「やったぁ!」
「小言を聞かないで済む!」
他部署の皆が喜ぶのも分かるな、特に俺達スポーツ部にいつも嫌味を言ってくる経理課の部長がいないのが救いで、皆でこれでもかってくらいに頭の固いおっさん達に対する日頃の鬱憤をお酒を片手に話す。
俺は折角だから一眼カメラをバックから取り出して、花見を楽しんでいる四つ葉の皆を撮り始め、スポーツ部の皆も自分のカメラを使って桜を撮影したり、お互いを撮りあっていた。
すると高坂専務は皆の輪から1つ離れていて、烏龍を片手に皆の様子を見ているので、俺は一眼カメラのファインダーから顔を離して高坂専務の隣に座る。
「ワインは飲まないんですか?」
「この後、人と会う約束をしているから烏龍でリセット中」
「へぇ、ずっとワインを飲んでいるかと思いました」
「“凄く大切な人”に会うんだから、お酒のせいってカッコ悪いだろ」
高坂専務は小さく笑い、静かに烏龍を飲む。
「秋山もいつか“凄く大切な人”が出来たら、俺のこの言葉の意味が分かるよ」
高坂専務はいつもにこにこしながら話すのに、今は何処か寂しげだ。
「その人とはお付き合いが長いんですか?」
「大学の時に一目ぼれしてくっついたけど、俺の都合で離れて、スポーツ部の“社会科見学”がきっかけでもう一度会いに行って復縁したよ」
そうなんだ、高坂専務って荒木編集長と同じくらいに四つ葉の女子社員達に人気だし、モテっぷりが凄いから相手なんて沢山いるだろうと思っていた。
「別れた時は仁に思いっきり殴れて、奥歯がかけてしんどかった」
「えぇ?!」
あの荒木編集長が?!全然感情を出さない人だし、想像がつかない。
「『今から殴るから、覚悟して』で1発。いきなり殴られるよりって変だけど、予告して殴られるのもきつかったなぁ」
高坂専務はハハって笑うけど、笑い事じゃぁ…。
「ま、仁もそれだけ相手の事を思ってたし、でも俺はそれ以上に“凄く大切な人”を想う気持ちはじぃさんになっても揺るがないけどね」
凄い自信たっぷりに言う高坂専務はまた烏龍を飲む。
「俺も“凄く大切な人”に出会えますかね」
「出会えるよ。秋山はまだ若いし色んな経験をいっぱいしなよ、いつでも相談に乗るし。あ、でも仁に殴られないようにね。マジであいつの力は姫川より強いから」
「気をつけます」
2人で笑い、四つ葉の花見を楽しんだ。
両手にスーパーの袋をいくつも持ちながら歩き、俺の隣で歩いている水野もいくつものスーパーの袋を持っている。
「これだけあれば高坂専務も文句は言わないだろう」
「そのワインの小さな瓶は高坂専務が飲むんだろ?」
俺は水野が持っているスーパーの袋から見えている小さな瓶に目を向けると、水野は溜め息をつく。
「銘柄を指定するのは良いけど、重くてしんどいし、買い出しよりも原稿を書きたいよ」
「俺も写真を撮るほうが良いに決まってるけど、“じゃんけん対決”で負けたから仕方ないだろ」
四つ葉の花見の買い出し係りをスポーツ部の中から決めることになり、荒木編集長は一番手で勝ち抜けし、俺と水野が最後まで残り、買い出し係りに任命された。
後は俺達の同期であるタウン情報部の九条さんは宝条さんと総務課の星野さんの3人で場所取りをするって、買い出しに出かけようとした時に九条さんから聞き、この3人って何の繋がりで知り合ったんだ?
早く袋を降ろしたいと思いながら歩き、ようやく宝条さん達の姿が見えてきて、俺達もレジャーシートの上に上がり、シートの真ん中に袋をどんどん置いていく。
「こんなに沢山の買い出しをありがとうございます」
「まだ皆さんが来ていないので、休んで下さい」
「飲み物はこっちの方に置きます?お菓子は紙皿に移します?」
3人はわいわいしながら袋から食材を取り出して準備を始めるので、俺もアルコールが入った袋を手に取って、何本かを纏めてレジャーシートの誰も座っていない場所に置いていく。
水野も九条さんと一緒にお菓子を取り出して、宝条さんもおしぼりや紙皿を用意していたら、続々と四つ葉の人達がやってきた。
「“三姉妹”たち〜、昼から場所取りをありがと。水野も秋山も沢山買ってきてくれて、ありがとう」
高坂専務は上機嫌で俺達の肩をバンバン叩き、痛いんだけど。
「今日は頭の固いおっさん達は誰一人いないから、思う存分、楽しもう」
「やったぁ!」
「小言を聞かないで済む!」
他部署の皆が喜ぶのも分かるな、特に俺達スポーツ部にいつも嫌味を言ってくる経理課の部長がいないのが救いで、皆でこれでもかってくらいに頭の固いおっさん達に対する日頃の鬱憤をお酒を片手に話す。
俺は折角だから一眼カメラをバックから取り出して、花見を楽しんでいる四つ葉の皆を撮り始め、スポーツ部の皆も自分のカメラを使って桜を撮影したり、お互いを撮りあっていた。
すると高坂専務は皆の輪から1つ離れていて、烏龍を片手に皆の様子を見ているので、俺は一眼カメラのファインダーから顔を離して高坂専務の隣に座る。
「ワインは飲まないんですか?」
「この後、人と会う約束をしているから烏龍でリセット中」
「へぇ、ずっとワインを飲んでいるかと思いました」
「“凄く大切な人”に会うんだから、お酒のせいってカッコ悪いだろ」
高坂専務は小さく笑い、静かに烏龍を飲む。
「秋山もいつか“凄く大切な人”が出来たら、俺のこの言葉の意味が分かるよ」
高坂専務はいつもにこにこしながら話すのに、今は何処か寂しげだ。
「その人とはお付き合いが長いんですか?」
「大学の時に一目ぼれしてくっついたけど、俺の都合で離れて、スポーツ部の“社会科見学”がきっかけでもう一度会いに行って復縁したよ」
そうなんだ、高坂専務って荒木編集長と同じくらいに四つ葉の女子社員達に人気だし、モテっぷりが凄いから相手なんて沢山いるだろうと思っていた。
「別れた時は仁に思いっきり殴れて、奥歯がかけてしんどかった」
「えぇ?!」
あの荒木編集長が?!全然感情を出さない人だし、想像がつかない。
「『今から殴るから、覚悟して』で1発。いきなり殴られるよりって変だけど、予告して殴られるのもきつかったなぁ」
高坂専務はハハって笑うけど、笑い事じゃぁ…。
「ま、仁もそれだけ相手の事を思ってたし、でも俺はそれ以上に“凄く大切な人”を想う気持ちはじぃさんになっても揺るがないけどね」
凄い自信たっぷりに言う高坂専務はまた烏龍を飲む。
「俺も“凄く大切な人”に出会えますかね」
「出会えるよ。秋山はまだ若いし色んな経験をいっぱいしなよ、いつでも相談に乗るし。あ、でも仁に殴られないようにね。マジであいつの力は姫川より強いから」
「気をつけます」
2人で笑い、四つ葉の花見を楽しんだ。