AfterStory~彼女と彼の話~

├東雲沙紀×南山彰の場合

side東雲沙紀

今日は夜勤でB警察署で過ごすことになり、コンビニで買った夜食を同僚と一緒に頬張る。

「世間はGWなのに、こっちはグッタリウィークだよね」
「分かる。旅行に行くから家に誰もいないと犯罪に遭いやすいし、渋滞も凄いから交通課も大変だよね」
「生活安全課もイベントの準備で日勤が大変そうだったね」
「その分、早上がりが出来るし、独身チームは夜勤を頼まれるよね」

同僚と2人で顔を見合わせて、はぁと溜め息を吐く。

職務を全うする気持ちはありつつも、カレンダーの赤い日を見ると恋人と出かけたいし、でも相手も呼ばれれば直ぐ現場に直行だから、遠出なんてしたこともない。

夜食を食べ終え、早出の職員に申し送りをする為に書類を先に用意したり、電話が掛かってくれば応対をし、相談者の悩みを真剣に寄り添ってメモに書き留める。

何も起きないように、安心して過ごせる世の中にするのが私達の使命であり、この仕事に携われることが誇りだ。

徐々に外が明るくなり、部署内にも職員が増えていき、夜勤の終わりが見えてくる。

「これで申し送りは終わりっと」

腕をう〜んと伸ばして荷物を纏めて部署を出て、刑事課をちらっと覗くと南山の姿は…ないか、とぼとぼと廊下を歩いてB警察署を出た。

空は青くてふぁあと欠伸をする。

「でかい口だな」

バッと後ろを向くと南山がクスっと笑っていて、み、見られたくない欠伸の所を…。

「こっちは夜勤で頑張ってたんですぅ」
「俺だってホシを捕まえたぞ」
「へーおめでとう」

棒読みで返すと南山がムスッとすると、私の隣をすっと通り過ぎる。

「俺の部屋で待っていろよな」

南山は小声でボソッと言い、B警察署の中へ入っていったけど、待っていろよな…、このまま家に帰りたかったけど仕方ない。

南山が住むマンションの近くのコンビニに立ち寄って、直ぐ食べれる物と飲み物と…、あ、このファッション雑誌の“Clover”って南山の先輩の人が手がけている雑誌だった筈で、あまり読んだ事がないな。

手に取ってかごに入れてお会計し、南山が住むマンションに行き、部屋に入って冷蔵庫に食材を入れて、雑誌と飲み物だけ持ってリビングに行く。

ローテーブルに雑誌を置いて、じっくりとページを捲ると、コーデのページは読み応えあるし、この洋服に似ているのをクローゼットにあったから取り入れてみようかな?

どんどんページを捲り、最後の方には『プロフィール帳を書いてみよう!』というページがあって、ふむふむ、このプロフィール帳を切り離して彼氏と彼女でそれぞれ書くんだ。

面白そう!早速ペンを取り出して、彼女の欄をどんどん埋めていくと、最後の項目は“恋人としたいこと”…、どんなが良いかな?
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