AfterStory~彼女と彼の話~

├吉野千明×鷹野玲二の場合

side吉野千明

玲二さんに護られ続けて数ヶ月、仕事を終えて書店に立ち寄ると“Clover”の最新号を手に取る。

「大野先輩が言っていたプロフィール帳って…、あった、これだ」

可愛い絵柄とピンクの文字で書かれているプロフィール帳をじっと見て、大野先輩が角井百貨店の食堂でこのプロフィール帳について受付の人達と盛り上がっていたよね。

経理課の男子職員や他のフロアのショップの男性の店員さんにプロフィール帳を渡そうか、どうとか。

「そろそろ選び終えた?」

頭の上にポンっと手が置かれ、見上げると玲二さんだったので、私はこの雑誌をギュッと抱きしめた。

「この雑誌と、新しい料理の本にします」
「りょーかい」

玲二さんが私の手を優しく包み、一緒に料理の本を選び、お会計して車に乗る。

「鷲宮さんに報告書の提出をするから、一度ホークスのビルに寄るぞ」
「はい。皆さんにお会いするの、久しぶりです」
「俺は毎日だから、新鮮味がねぇ」

玲二さんはうんざりしながらハンドルを握り、私はふふって笑う。

ビルについてホークスが入っている部屋のドアを開けると、鮫島さんがぱぁっと笑顔になって駆け寄ってきた。

「千明ちゃ〜ん」
「あはは…、どうも」

鮫島さんが両手を広げてこっちに来るんだけど、私は後退りし、鷲宮さんが鮫島さんの頭を右手で思いっきり叩(はた)く。

「痛い!」
「お前は毎回吉野様に抱きつこうとするのは辞めんか!」
「警護先のむさ苦しい男達の中でしんどかったんで、千明ちゃんに癒されたいんですよ」
「千明はお前の抱き枕じゃねぇよ!」

今度は玲二さんが左手で叩く音が響く。

「ねぇスワン、俺の気持ち、分かるよね?」
「1ミリも分かりませんし、巻き込まないで下さい」

白鳥さんがバッサリと切り捨てて、モニターを凝視している。

「千明はそこのソファで待ってろ」
「はい…」

ソファに座って、玲二さんが鷲宮さんと報告書のやり取りをしていて、終わるまで“Clover”を読んで待っていよう。

バックから取り出してパラパラと捲り、次の玲二さんとお出かけするならこのコーデを着てみようかな?

プロフィール帳のページに来ると、切り離してじぃっと眺める。

玲二さんってどんな学生時代を過ごしてたのかな?それと“恋人としたいこと”って…

「へぇ、千明ちゃんの血液型って何型?」
「ひぁああ」

鮫島さんが急に背後から声をかけてきたので、思わず大声を出しちゃった。

「さ、鮫島さん…驚きますって」
「ご免、ご免。俺、B型で千明ちゃんと相性占いをしてみたいな」

鮫島さんはバチっと片目を閉じるけど、チャラい。

「スワンがABで、スネークって何型ぁ?」
「勝手に個人情報を明かさないで頂きたいです」
「私はOよ。鷲宮さんはB型でしたっけ?」
「B型だが、こういう占いは信じないようにしないと」

そこからはプロフィール帳で盛り上がった。
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