AfterStory~彼女と彼の話~
俺はサンドイッチを食べながら視線をドアに向けていると、パーカーのフードを被った人物が容疑者の部屋のドアの前に立つ。

「山さん」
「来たか。おい、突入するからお前らは部屋の窓の外に回れ」
『了解』

山さんは無線で別の場所で待機してる刑事に指示を出すと、フードを被った人物はドアを開けて中に入っていった。

「行くぞ」
「はい」

車から降りてアパートに向かい、山さんがドアの前に立ってドアをノックするが返事がない。

「すいませーん」

山さんがノックしながら声を出すけど、やはり返事がない。

「ちっ、行くぞ」
「はい」

中にいる人物がドアを開けた瞬間に襲ってこないように、警戒をする。

山さんはドアノブを掴んで回し、思いっきりドアを開けた。

「警察だ!」
「来るなよ!」

同時に山さんと一緒に中に乗り込んで、中にいたフードを被った人物はクッションやティッシュの箱を俺たちに向かって投げてくる。

声からして、容疑者が男だと分かった。

「お前に容疑がかかってるんだ、大人しく署まで来い!」
「嫌に決まってるだろ!」

男はアルコールの空き缶を投げて、外に出ようと窓を開け、身を乗り出して逃げ出す。

「南山、外に回って追え!」
「はい!!」

俺は部屋を出て、別の場所で待機していた刑事たちと合流して男を追いかける。

 (山さんが言っていた通り、部屋に戻ってきたな)

俺は刑事としてまだ経験や勘が浅いのは分かっていて、山さんが部屋に戻ってくる意見に何処か疑心暗鬼でいたが、男が戻ってくるのを見て、山さんに俺たちをここまで引っ張ってもらってきたから、捕まえてやろうと全力で走る。

「待て!」
「追いかけてくるなよ!」

複雑にいりくんだ道を走り回って、橋があって下に川が流れる場所にきた。

男は橋の真ん中で立ち、俺は反対側から来た刑事と挟んで行く手を阻む。

「大人しくしろ」
「捕まってたまるかよ」

男は橋を飛び越えて川の中を走り出す。

「逃がすかよ!!」
「南山、待てって」
「待ってたら遠くへ行ってしまいます!」

俺も橋を飛び越えて冷たい川の中を必死に走り出して、男に飛び付いた。
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