AfterStory~彼女と彼の話~
【水瀬幸雄sideおまけ】



翌週明け、仁からネクタイが贈られた意味を教えてもらい、なんだか照れてしまう。

「ほら、会議があるんだから行くよ」

恥ずかしさを誤魔化すように仁と姫川をせかして、会議室に向かう。

「おっかねー彼女からはチョコを貰えたのかよ」
「ちゃんと星野さんって言ってよ」
「姫川は一度呼んだら最後までこうだよ」

仁は俺に諦めるように、言った。

「ご心配しなくても、チョコを貰ったよ」
「けっ、いちゃついてばかりだな」
「男の嫉妬、みっともない」

俺たちの会話は入社した時から変わってなくて、いつもこうだ。

「よっ、水瀬!星野さんからチョコを貰ったか?」
「高坂さん…、貰いましたよ」
「何だよー。羨ましいな」
「苦しいです!」

会議室にいた高坂さんから直球の質問をされたので答えると、高坂さんが俺の首に腕を回してきたので息苦しい。

この日は散々高坂さんから弄られてしまい、来年は聞かれても答えるのをよそうと誓うのだった。
















【水瀬幸雄side終わり】
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