星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】

9.気になる情報 -託実-


夏休みに入って間もなく雪貴はウィーンへと旅立った。

雪貴が留学した後、
唯香ちゃんは自分のマンションへと戻って行く。


百花に零した理由としては、
『ベッドが広すぎるから』らしい。


時折、百花が連絡をして
俺たちの家へと顔を出すようになったものの
雪貴不在の影響は、思った以上に大きいように思えた。


寂しさを紛らわすように、
学校の部活へと入り浸っているようにも映る。




「なぁ、百花。
 唯香ちゃん、向こうの雪貴と連絡取れてるのか?」

「なんか時差とかの関係もあって、擦れ違ってばかりみたい。

 後は電話料金とか。
 唯香、結構そういうの気にするタイプだから」

「そっか……電話料金かぁ。

 そんなの気にしないで利用できる何かがあればいんだけどな。
 今度、十夜か兄さんたちに聞いてみるよ。

 とりあえず難なくお互いに連絡が出来るようになったら、
 多少は落ち着くんだよな。

 唯ちゃんが落ち着いてないってことは、多分向こうにいる雪貴もそうだろうからさ」


そう言って呟いた俺に、百花は『心配性だね』って紡ぎながら微笑んだ。


その夜も、
久しぶりにゆっくりとベッドの中で体を重ねる。

最初は余裕があったその行為に対して、
段々、制御がきかなくなっていって感情のままに組み敷く百花。

俺に抱かれながら、声を漏らすその調べにすら
俺自身を熱くしていく。


互いの肌を重ねあわした夜。


理佳と出逢って、理佳と別れた夏に
ゆっくりと新しい歴史がまた一頁、塗り替えられていく。


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